子宮鏡下手術
当科では2004年1月〜12月の1年間で116例の不妊症例に子宮鏡検査を行い、51例(44.0%)に子宮内腔病変が認められました。子宮内腔病変があるにもかかわらず無治療で経過観察した27例の妊娠率は33.3%で、子宮内腔病変がなかった65例の妊娠率56.9%と比較して有意に低下していました。
不妊症でいろいろな検査をしてもなかなか妊娠しない患者さんの中には超音波検査や子宮卵管造影検査では診断できないほど小さな子宮内腔病変があることがあるため、当科では不妊症に対しては全例子宮鏡検査を行い、異常があれば治療を行っています。
生殖内分泌科で施行している子宮鏡下手術
- 粘膜下筋腫核出術
- 子宮の内腔に向って発育した粘膜下筋腫は着床障害の大きな原因になります。子宮鏡手術ではおなかを切らずに粘膜下筋腫を切除でき、術後も通常は経膣分娩が可能です。術式の工夫により子宮内にあまり突出していない粘膜下筋腫も子宮鏡下に摘出が可能になりました。
- 子宮内膜ポリープ切除術
- 子宮内膜ポリープの切除は子宮内に器具を挿入して、手探りで正常内膜とともに切除する方法が一般的ですが、術後に子宮内の癒着や子宮内膜が薄くなるなどの偶発症がおこる可能性があります。当科では子宮鏡で観察しながら、ポリープのみをピンポイントで切除することで、子宮内膜への影響を最小限にすることで、これらの偶発症を少なくする工夫をしています。
- 子宮内腔癒着剥離術
- 子宮内腔癒着剥離術は手術中に子宮腔に造影剤を注入して、剥離あるいは切除の程度をリアルタイムにX線で透視観察できる装置を使用して、十分な治療ができるようにしています。
- 子宮中隔切除術
- 子宮中隔切除術は手術中に子宮腔に造影剤を注入して、切除の程度をリアルタイムにX線で透視観察できる装置(Cアーム)を使用して、十分な子宮中隔の切除を可能にしています。術中の子宮穿孔の有無を確認する目的に腹腔鏡を併用して行うことがあります。
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