札幌の都市型急性期病院 国家公務員共済組合連合会 「斗南病院」

所在地
〒060-0004 北海道札幌市中央区北4条西7丁目3-8
アクセス
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婦人科 生殖内分泌科

一般不妊検査と治療

一般不妊検査と治療

2年間不妊の場合、定義的にも不妊症ということになり是非検査が必要ですが、1年間不妊でも(定義上は不妊症ではありませんが)検査が望ましいと考えております。1年未満でも自覚できる症状(たとえば生理が不順など)があれば一定の検査が必要です。では不妊症にはどういう検査があるのでしょうか?

基礎体温
朝、目をさましたら体を動かす前に婦人体温計を舌の下にいれ体温を測定します。一度さがってからあがった日が排卵日と昔から言われていましたが、最近はそのようなことではなく、低温層の最後の日の前後2日間の計4日間の間で排卵するということがわかってきました。ですから自分であらかじめ排卵日を察知することはなかなか難しいです。尿中のLHというホルモンを自分で簡単に測ることができますから、それだと排卵日を予測することができます。
子宮卵管造影
月経直後に子宮の出口から子宮腔内へ造影剤を入れ、子宮腔内に異常がないかどうか、卵管が通過しているかどうかを診断します。痛い検査と患者さんのあいだで言われているようですが、油性の造影剤を用い、ちょっとしたコツで痛みを軽減して検査できます。検査の翌日にも単純撮影をして造影剤の拡散をみます。
精液検査
十分精子がいるかどうかをみます。病院で採取していただいてもけっこうですし、自宅で採取し約2時間以内に病院にもってきていただければ検査できます。最低3日間の禁欲期間が必要です。
子宮鏡
子宮の中に細い内視鏡を挿入し、子宮腔にポリープや粘膜下筋腫がないかをみる検査です。非常に細いので麻酔なしでも痛みはほとんどありません。30秒から2分以内で終了です。 子宮鏡はあまり全国的に普及されているとはいえませんが、子宮内隆起病変があると妊娠率が低下するので、是非不妊症のルーチン検査にしようと斗南病院から全国に提唱している検査です。
頚管粘液検査
子宮の出口の部分を頚管といい、いつも粘液が分泌されています。排卵が近づくと量が増え、粘調性が低下し糸を引くようになります。このような時期に精子は奥に入って行きやすいのですが、排卵が近づいてもなかなか粘液がこのような性状にならない人がいます。排卵の時期に頚管粘液の性状をみる検査です 。
フーナーテスト
朝方に性交後、膣内にあった精子が十分に子宮腔に入っていけているかどうか、つまり頚管粘液と精子の適合性がよいかどうかをみます。一回で合格しなくても大丈夫。3回くらいチャレンジして判定します。排卵期の性交ですのでこれで妊娠できることもあります。
卵胞検査
生理中には小さくてみえなかった卵胞が、排卵が近づいてくると卵巣の中に卵胞が育ってくるのがみえます。卵はその卵胞の壁のどこかにくっついています。直径約2.0cm以上になると卵胞が破裂し卵がとびだしてきます。これが排卵ですが、きちんと卵胞が育っているかどうかを経膣超音波で観察する検査です。
子宮内膜日付診
受精卵の着床の条件が良いかどうか、排卵後5~7日目に子宮内膜の一部を取ってきて顕微鏡的に調べる方法です。最近当科では電子顕微鏡で調べる方法をおこなっております。他に着床の条件が良いかどうか、つまり黄体機能不全がないかどうかを調べる方法としては血中のホルモンを調べたり、基礎体温のかたちから予測する場合があります。
血糖値測定
耐糖能が低下すると、多嚢胞性卵巣などの排卵障害の原因になることがあります。さらに低下した場合には児の先天異常を引き起こす事もあります。
血中ホルモン測定
卵巣ホルモン、脳下垂体ホルモン、視床下部ホルモンを採血して、卵巣の予備能を調べます。また、甲状腺ホルモン、乳汁分泌ホルモンに異常があると排卵障害の原因になったり、妊娠しても流産を反復することがあります。
腹腔鏡
臍の縁を2cmほど切ってお腹の中に内視鏡を入れ、卵管、卵巣、子宮の状態をみる検査です。手術的な検査ですので日常的にはしませんが、卵管の通過性に疑問がある場合などに行ないます、GIFT、ZIFT、卵管周囲癒着剥離など治療を兼ねておこなうこともあります。
抗精子抗体
まれに精子に対する抗体ができていて、精子を攻撃してしまい、妊娠できない場合があります。採血して血液中の抗精子抗体を調べます。
クラミジア抗原、抗体
クラミジアというのは大きめのばい菌です。あまりはっきりした症状は出てこないことが多いのですが、卵管に炎症を起こし知らないうちに卵管がつまってしまうことがあります。抗原は頚管をこすって、抗体は採血で調べます。
CT、MRI
子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫が不妊の原因になっている場合もあります。このような子宮、卵巣などに形の上で異常が疑われる時、レントゲンや磁気を使ったコンピューター撮影をおこなうことがあります。

以上のような検査をすすめて異常があったら、そこを治療していくことになります。以下治療法を説明します。

不妊治療法

● タイミング法
排卵が近づくと卵巣の中に卵胞が腫れてきます。2.0cm以上になったらもうすぐ排卵です。卵胞の大きさから排卵が近いかどうかを見て妊娠しやすい時期を指導することをタイミング法といいます。尿検査で排卵が近いかどうかをみることもできます。排卵が近づくと透明なおりもの(頚管粘液)が増えて自分でもある程度予測できることもあります。

排卵誘発剤
排卵に問題がある場合には排卵誘発剤を使います。次のような誘発剤があります。

  • セキソビッド
      経口薬で、弱めの薬です。排卵障害が軽度の場合、すでに排卵があるその排卵を早めたい場合などに用います。
  • クロミッド
      経口薬で、Sexovidに比べると少し強めの薬です。排卵誘発性は充分なのですが、抗エストロゲン作用があるため
      頚管粘液が悪くなったり、子宮内膜が薄くなったりする副作用があることがあります。
  • フェマーラ
      アロマターゼ阻害剤というまだ歴史が浅い薬ですが、考えられる利点と欠点をよく説明して治療しております。
  • HMG製剤/FSH製剤
      注射薬で強力なので複数の排卵をひきおこし、上手に使わないと多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群の原因にもなりま
      す。体外受精では通常この薬を使います。
  • メトフォルミン/アクトス
      インシュリンに対する感受性が低下しているために多嚢胞性卵巣となり、排卵障害を引き起こしている場合に
      単独、あるいは排卵誘発剤と併用して使うことがあります。
● AIH(Artificial Insemination of Husband=配偶者間人工授精)
精子が少ない場合におこないます。精子を洗浄し、直接子宮腔内にいれます。精子は自然では膣内から自力で頚管を通って卵管まで泳いでいきますが、頚管の中でけっこう死んでしまいます。AIHでは頚管を飛び越えて子宮腔内へ精子を注入しますので無駄が省けるのです。頚管粘液が良くない場合やフーナーテストで成績が悪い場合にもおこないます。 不妊原因がはっきりしない場合にも、AIHをおこなうことがあります。

この場合排卵があっても排卵誘発剤を併用することがあります。これに対して、頚管粘液を通過するときに精子は活性化されるので、フーナーテストさえ正常ならAIHはすべきではないという考えや、排卵誘発剤には多胎妊娠の副作用もあり得るので、排卵があるのに排卵誘発剤を使うべきではないという考えもあります。当科ではこれらの考えがあることをふまえて臨機応変に対応しています。
● 通薬水(通水)
卵管の通過性が悪いときに子宮の出口から奥へ水を通す方法です。狭くなった卵管が通水で広くなるわけではなく、お腹の底に貯まった水を卵管が吸い上げるように働くのではないか、その時卵もいっしょに吸い上げるのではないかと予想されます。なぜ通水が有効かのはっきりしたメカニズムはわかっていませんが、卵管の通過性が悪いときに妊娠率を上げる事実は数字ではっきりしています。当科では排卵の直前におこなうようにしています。
● 卵管形成術
卵管の通過性がどうしても悪くて妊娠できない場合、卵管形成術をおこなうことがあります。開腹手術でおこなう場合と腹腔鏡でおこなうことがあります。卵管のどこを手術するかによって違いますが、全体としては約20%の妊娠率です。
しかしながら卵管水腫がある場合には、治療成績が低下するので体外受精を選択した方がよいかもしれません。
● 子宮筋腫核出術
子宮筋腫が妊娠のじゃまになっていると判断される場合、手術で筋腫を除去します。
有茎性の粘膜下筋腫はお腹を切らずに経膣的に子宮鏡で除去する事ができます。
● 子宮内膜症に対するGnRHa、チョコレート嚢胞に対する 経膣穿刺-アルコール固定
子宮内膜症や子宮腺筋症が不妊の原因になっていることがあります。この場合はGnRHaという卵巣の働きを抑えて内膜症の病巣を萎縮させる薬で治療します。4~6ヶ月ほど使うのが通常ですが、更年期障害などの副作用が出ることがあります。
低容量ピルはGnRHaほど病巣を縮小させる効果は期待できませんが、副作用は比較的軽く、6ヶ月以上使用できます。
子宮内膜症の卵巣チョコレート嚢胞に対して膣から超音波ガイド下に穿刺吸引し、高濃度のアルコールを注入し嚢胞内を固定する方法をおこなっています。当科では一日入院でおこなっています。再発率は30%といわれています。このような方法でチョコレート嚢胞を除去しただけで妊娠できることがあります。
● 排卵誘発剤以外のホルモン療法、薬物療法
黄体機能不全、つまり排卵した後の黄体ホルモンの分泌が悪いような場合、ビタミン剤や黄体ホルモンを補充することがあります。またプロラクチンが高い場合下げる薬(パ-ロデル、テルロン、カバサールなど)の服用が必要になります。
以上代表的な治療法を挙げましたが、その他いろいろな応用的治療法があります。しかしこれらの一般的治療法でなかなか妊娠出来ない時は、つぎに述べる体外受精、胚移植に代表される高度生殖補助医療にステップアップすることになります。

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